• 東京公演プログラムのご紹介 | 名古屋ギターフェスティバル

    東京公演プログラムのご紹介


    NGF in Tokyo 

    NGF in TOKYO プログラム解説です。

    閑喜弦介による解説メッセージ

    BWV 825パルティータ第1番よりプレリュード、アルマンド、ジーグ (J.S.バッハ)

    1726年にクラヴィーアのために作曲されました。300年前に、しかも、違う楽器の為に書かれた曲がクラシックギターどのようにクラシックギターで響くのか、どんな音楽が生まれるのかを楽しみながら聴いて頂けると嬉しいです。

    All the things you are (Jerome kern)

    Jerome kern作曲の有名なジャズスタンダード。シンプルなメロディーラインと四度進行のハーモニーが特徴的な曲ですが、ギターの響きを活かしたアレンジを加えて演奏します。

    My foolish heart (Bill Evans)

    Bill Evansの演奏で有名なスタンダードナンバー。タイトルからも想像できるかもしれませんが、本物の愛と誘惑の間で揺れる女性の心情を綴った恋の歌です。この儚くも美しい旋律を、できるかぎりそのままの美しさで皆様に届けられるように気持ちを込めて演奏したいと思います。

    小暮浩史による解説メッセージ

    ミロンガ(J.カルドーソ)

    ミロンガはアルゼンチン、ウルグアイ、およびブラジル南部の音楽のジャンル、およびその音楽によって踊られるダンスの形式である。シンコペーションの効いたリズムに乗って、哀愁漂うメロディーが印象的な作品である。

    タッピング・コナックル(久留智之) 
    1.コナックル 2.タッピング 3.ジャウハープ 4.タハリール 5.タスニフ

    コナックルとは、インド音楽でパーカッションなどのリズムを学ぶ際に用いられる口唱歌(口三味線)のことである。コナックルによるニュアンスを多く含んだ情報を、ギター独特のタッピングやその他の打楽器的奏法を駆使して表現されている。

    Spread Away(閑喜弦介)

    始まりがあれば終わりがあるものだ。そうして次の場所へ静かに消えていく。溶けるように、広がるように・・・。タイトルは「末広がり」をイメージした作曲者による造語である。

    徳永真一郎 解説:小川智史(ライター)

    F.ド・フォッサ – 幻想曲第1番 Op.5

     生涯を軍人として過ごしたフランスの古典派ギタリスト・作曲家のフランソワ・ド・フォッサ(1775–1849)は、ボッケリーニのギター五重奏曲を後世に伝えた功績が知られる。ギター音楽研究家マターニャ・オフィーによって作品が再発見された1980年代から徐々に注目を集め、現在では若い世代のギタリストたちに積極的に取りあげられている。変ロ長調で書かれたこの幻想曲は、アルベルティ・バスを用いた優雅な序奏と、2つの中間部をもつ軽快なロンドからなる。

    F.ソル – 悲歌風幻想曲 Op.59

     スペイン・バルセロナに生まれ、マドリード、パリ、ロンドン、モスクワなど国際的に活躍した古典派最高峰のギタリスト・作曲家のフェルナンド・ソル(1778–1839)晩年の傑作であるこの幻想曲は、親交のあったベスレイ夫人(愛称シャルロット)の死に際して書かれた。自由に展開される抒情的な長い序奏と、荘厳な葬送行進曲の二部からなる。コーダでは楽譜上に「シャルロット! アデュー!」と書き込まれ、ソルの想いの強さが示されている。

    F.タレガ – グラン・ホタ

     名曲《アルハンブラの想い出》などで知られるスペインのギタリスト・作曲家フランシスコ・タレガ(1852–1909)は、ギターの演奏法に革新をもたらしたことで「近代ギター音楽の父」と称されている。この曲ではそのようなタレガの演奏技法が十二分に発揮されており、大太鼓を模したタンボーラ奏法やスネアドラムのような音を出すタバレット奏法など、数々のユーモラスな特殊奏法が使われている。ホタはアラゴン地方を本場とする明るく華やかなスペイン舞曲。

    ガブリエル・ビアンコ 解説:生田直基(プロデューサー)

    魔笛の主題による変奏曲(F・ソル)

    スペインでは「ギターのベートーヴェン」と呼ばれることもある、フェルナンド・ソル。古典ギターを知り尽くしたソルはギターの演奏も達者であった。演奏には高い技術が要求される。モーツァルトの最後のオペラ『魔笛』を主題とした、ソルの作品の中でも最も演奏会で取り上げられる機会の多い楽曲の一つ。序奏、主題、5つの変奏、コーダと続く。このギターの様々な技巧を発揮しながら華やかに奏でられていく。

    BWV997 リュート組曲第2番(J.S.バッハ)

    音楽の父、バッハによって作曲されたリュートのための組曲。この組曲はプレリュード、フーガ、サラバンド、ジーグ(~ドゥーブル)で構成される。自由な発想で書かれており、特にプレリュードとフーガは完成度が高く、独立して演奏されることも多い。そしてサラバンドとジーグはより舞曲として要素が強く、2曲の緩急のコントラストが非常に面白い。

    ソナタ (アントニオ・ホセ)

    ホセは20世紀初頭に活躍したスペインの作曲家。才能に溢れ、音楽家として将来を嘱望されていたが、スペイン内戦により捕えられ、1936年に33歳という若さで悲劇的な形でこの世を去った。このソナタはその3年前の1933年に作曲された。鮮やかさ、切なさ、儚さ、激しさ、という様々な感情をたまらず書き殴ったような音が印象深く、まるで絵画を見ているかのような色彩感溢れる名曲。アレグロ・モデラート、メヌエット、悲しきパバーナ、フィナーレの4曲から構成される。

    ガブリエル・ビアンコ&徳永真一郎 解説:小川智史(ライター)

    R.ニャタリ – 肖像より アナクレット・ジ・メデイロスシキーニャ・ゴンザーガ 

     クラシック/ポピュラーの垣根を越えて活躍したブラジルの作曲家ハダメス・ニャタリ(1906–1988)が、敬愛する自国の音楽家をオマージュした組曲《肖像》は、もとはバンドリンと室内オーケストラのための作品。アサド兄弟がギター二重奏用に編曲・演奏したことでこの編成の定番レパートリーとなった。〈ピシンギーニャ(ショーロ)〉、〈エルネスト・ナザレー(ヴァルス)〉、〈アナクレット・ジ・メデイロス(ショティッシュ)〉、〈シキーニャ・ゴンザーガ(コルタ・ジャカ)〉の4曲で構成される。

    (プログラムは変更の可能性もあります。)

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