【レポート】第4回名古屋国際ギターコンクール

一般部門レポート!!
一般部門には国内外から5名の参加者が音源審査を突破し、参加しました。当日は1名欠席となったため4名が会場でそれぞれ素晴らしい演奏をしてくれました。課題曲は事前抽選により決定したヴァイスのファンタジー。自由曲は10分以内。
その他の部門の結果は前回の記事をご覧ください。なお、全部門の参加者に各審査員からのメッセージとコメントを郵送でお渡ししておりますので公式なレポートとしては一般部門のみ公開しております。
第1位 坂上颯亮
高校1年生とは思えない落ち着きぶり!坂上さんは課題曲では速度変化と声部の弾き分けのコントロールが巧みで大人の演奏家のような風格を見せてくれました。そんな彼が自由曲に選んだのはメルツのハンガリー幻想曲。流れるような自然な歌心と美しい音で奏でられる端正な音楽が彼の魅力。全体的によく落ち着いており、安心して聴くことができます。実はこの安心感はコンサート活動をする時も非常に大事な要素。優勝者の副賞として開催されるコンサートは70分ほどのソロプログラムで行われるので今回よりも幅広いジャンルをどのように弾き分けていくのかとても楽しみです。

第2位 David Yu
香港からの刺客!Davidさんはドイツの音楽大学を卒業後、香港を中心に活動するギタリストです。ホール全体を包むふくよかな音でしっかりと聴かせる。課題曲は少し弾き急いでしまった部分があるもののその実力を感じさせました。自由曲はヒナステラのソナタより2、3、4楽章。コンクールでは聴き慣れた曲であるが実に手の内に入った演奏で新鮮に楽しめる素晴らしい構成力でした。すでに演奏会も行っているということで納得の玄人感のある魅力的な奏者でした。

第3位 岩月美玲
難曲をものともしない高校3年生!岩月さんは練習を積み重ねて様々な曲をレパートリーに持っています。課題曲はうまく纏めていていました。自由曲はゴヤのカプリチョスより第3番、第12番。この曲はメロディーを歌うだけでなく同時に高いテクニックが要求される非常に高難度な曲。さすがに自由には表現をすることが難しく、少し歌い方と音質の両面で硬さが出てしまったのが惜しかったです。しかし、チャレンジする姿勢には勇気をもらいました。

本選出場者(第4位) Su Hao Chang
透き通った音色で聴かせる優しい音楽!台湾の奏者、Suさんはフランスに留学経験があり、優しい音色はそこから来ているのかもしれません。自由曲はロンド風ガボットとスブルビオ。対照的な2曲をプログラミングし、どちらの曲もすごく楽しそうに演奏していました。全体的に内向的な演奏とも捉えられますが普段も楽しそうにギターを弾いているイメージが垣間見える自然な演奏でした。



以上がレポートとなります!愛好家部門、重奏部門、ジュニア部門の参加者の方も素晴らしい演奏をありがとうございます。各部門と表彰式の合間には審査員の演奏会もありました。各審査員による素晴らしい演奏が聞けるのは名古屋国際ギターコンクールの特徴です!



そして今月は15日にクロアチアンギターカルテットの名古屋公演!
残席が少なくなってきておりますので皆様お早めにどうぞ!

チケットはこちらから!
https://nagoyaguitarfes.stores.jp/