NGFロゴマークの秘密に迫る!
2019年の情報です。
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「ロゴとは器である。」
みなさま初めまして、グラフィックデザイナーのイトウコウヘイです。
(写真の選定は生田P)
NGFのロゴをはじめとしたポスターやチラシなどをデザインさせていただいております。今回は2017年の第5回NGFのときにリニューアルした今のロゴついて解説したいと思います。
冒頭の言葉はさる高名なグラフィックデザイナーの言葉ですが、曰くロゴは初めは空っぽである、と。例えば企業ロゴなら商品やサービスを使っていく中で生まれるよい印象がその器に少しずつ蓄積されていくことで、信頼と期待を感じさせるロゴに育っていくそうです。これは逆に言えばロゴのようなビジュアルアイデンティティが無いとせっかくのよい印象・評判も蓄積されていかないということです。
NGFもこの状態でした。NGFと言ったらこれ、という分かりやすい旗印が無かったので、せっかく毎年開催しているのに知名度や評判が蓄積されていかなかったのですね。ですのでまずは“器”となるロゴを制作することにしました。器っていろいろありますけど、料理を載せたり、果物を載せたり、花を活けたり、用途によって違いますし、その料理も和食かフランス料理か、文化によっても求められる器は千差万別です。NGFという素材を戴く器にはどんなデザインがふさわしいでしょう。ここでまず考えるべきことは色や形のことではなく、何を表現するか、です。ここに私が生田Pと打合せをしたときのシートをお見せします。
「クラシック音楽文化を名古屋に広める、浸透させる」「名古屋の街の定番イベントに」などを大事な想いとして核に据え、「カジュアル」「知的」「若さ」などをイメージさせる造形を持ち、「印象力」「伝播力」「普遍性」という機能を備えたロゴを作ろうという提案です。抽象的な内容ですが、まず始めに目指すべき方向を話し合って決めるのが大事です。そうしてはじめて手を動かしてデザインする段階に入れます。そこからはラフをノート1冊分くらい描いて何十案もロゴを作ってやっと1回目のデザインプレゼンに臨みます。
実は根を詰めて作っていると自分でも何が良いデザインか分からなくなってくるので、はじめの提案は自分が頭を落ち着かせるためにも、いろんな方向の案を出してクライアントとブレインストーミングのような感じですすめることが多いです。というわけで生田Pと仲良くああでもないこうでもないとやり合いました。いくつかの提案の末、シンボリックで一番シンプルな案でいこうとなり、その後の造形上の調整を経てめでたくロゴが完成しました。
明るく強いイエローが印象に残るかと思います。冷静さを感じさせるブルーや、重厚さや伝統を感じさせるブラウンではなく、カジュアルでユニークな感じをこのイエローで表現しました。はからずも主催の生田Pのキャラクターとぴったりですね。
このイエローをNGFのブランドカラーに制定し、webやチラシやステッカーなど随所に使うことで印象の相乗累積効果を狙っています(下画像のように展開していきます)。将来的にはNGF開催時期に名古屋の道にイエローのバナー(街灯などにぶらさげる小さめな旗)を掛けてNGFを強く印象付けられたらいいなあと夢見ています。
皆様がNGFにご来場いただき、「素晴らしい演奏だったなあ」「いいコンサートだったなあ」と思っていただいたら、その思いが少しづつロゴという器に積もっていき、NGFというブランドを信頼と期待とともに想起させる存在になっていきます。ということで「NGFの成長をこれからもデザインで支援していきたい」と思っております。
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