• 破竹の勢いで活躍する16歳のギタリスト!福山日陽インタビュー | 名古屋ギターフェスティバル

    破竹の勢いで活躍する16歳のギタリスト!福山日陽インタビュー


    お知らせ 

    もういよいよ2021年もあと少し、年末の妙な静けさが好きな生田Pです。突然ですが皆さん16歳の頃って何してましたか?私は恥ずかしながら当時はクラシックギターの存在は「足上げて弾くギター」くらいの認識しかなく、ひたすら洋楽80年代ロックを聴いて、エレキギター弾いて、初めてパーマをかけて失敗しておばちゃんみたいな髪型になって、スニーカーにハマり出したことくらいしか覚えていません。高校では補習の日々。やりたいことってあったかなあ…(遠い目)。そんな当時の私から見ても(勝手に比べるなw)驚くほどしっかりとした凛とした超凄腕の高校生ギタリスト、福山日陽(ひなた)さんにインタビュー。


    福山さんは記念すべき第1回名古屋国際ギターコンクールの覇者であります。その副賞としてコンサートが3回あるのですがその最初の1回が先日の第2回名古屋国際ギターコンクールのゲスト演奏という形で実現しました。2021年の8月末は非常に不安定な感染状況だったため関係者以外入場不可、無観客での収録となりました。関係者はみんなギタリストというかなりハードな環境で行われましたがその時の演奏は優勝した時よりもさらにスケールアップしており、とても頼もしい一人のギタリストとして立派に大役を務めてくれました。まずはその時の収録映像をご覧ください。

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    それでは福山さんにインタビュー開始!まず自己紹介から!

    福山:皆さん、こんにちは。福山日陽です。2005年5月5日 生まれです。愛知県日進市に住んでいます。

    ーー若い!って知ってたけど(生田Pは福山さんとは昔から知り合い)実際に聞くとやはり2000年代生まれって凄いなあ。新たな世代だね。日進市は名古屋市の隣で、落ち着いた雰囲気があっていいところだね。

    福山:そうなんです。因みに今住んでいるところは徒歩1分くらいで名古屋市です。

    ーーということは走ったら秒だね。

    福山:ですね。最近陸上を始めたので本気出せば20秒で名古屋市の名東区に着きます(笑)

    ーー今度ぜひ走ってるところ見せてね!ではギターを始めたのはいつですか?

    福山:小学2年生で始めました。母がYouTubeでエレキギターの演奏を見ていて、それを見て僕もギターを始めたいなと思いました。そこで両親に相談したら「やっぱり楽譜は読めた方が良いよ」ということでクラシックギター教室に通うことになりました。最初は童謡とか黒いオルフェとかをギターで弾くような感じでしたがそれから段々と本格的にクラシックギターにのめり込んでいきました。コンクールにも出場するようになりました。最初は宮下文夫先生に習って今は谷辺昌央先生に習っています。他にも色々な先生のマスタークラスなどもタイミングを見て受けています。

    ーー最初は子供のコンクールに出てたのかな?

    福山:そうですね。中部日本ギター協会のアマチュアギターコンクールの小学生部門などに出場していました。そして中学2年生から大人も対象にしたコンクール、たとえばギター音楽大賞(大阪)、スペインギター音楽コンクール(東京)、名古屋ギターコンクールなどにチャレンジし始めました。

    ーー結構日陽くんは決断が早いよね。それらのコンクールでももうすでに優勝・入賞しているし、行動が早いのは良いことだと思う。ということは、、ギタリストになりたい?

    福山:はい!(即答)

    ーーここまで即答できるくらい意志が強いのは貴重ですね。すごく楽しみです。では次の質問で、たとえば最初の頃って「かっこいいな」で何となくギターを始めたと思うのだけど具体的にどの時期、どの瞬間に「ギタリストになりたい!」って思ったの?

    衝撃を受けた二人のギタリストとの出会い。

    福山:大きなきっかけは2つあります。まず小3の時に大萩康司さんの演奏を聴いて、「こんなに魅力的にクラシックギターで音楽を届けられる人がいるんだ」と驚いたのが最初の衝撃でした。次に小6~中1の時にガブリエル・ビアンコの演奏の演奏を聴いたときに凄すぎて、「ああ、俺はもうクラシックギタリストになるぞ」と確信しました。

    ーー大萩さんもガブリエルも2人とも素晴らしいギタリストですね。その中でも特に好きなポイントってある?

    福山:大萩先生はレッスンを受ける時にも思うことなんですが表現力とそれを伝える言葉がとても洗練されていて、レッスンを受けていてもハッとするような場面が多いです。自分もあんなふうに普段から色々な表現が使えたらいいなと思います。ガブリエル・ビアンコは上品さの中に込めた情熱的な演奏が好みです。最初に聞いた時から心を揺さぶられました。

    ーーありがとう!それでは次の質問。高校を卒業したら何をしてみたいですか?

    次の進路

    福山ドイツに留学したいです!と言いたいところなんですが今すごく正直迷っています。僕の中では留学したい、本当は高校から海外へ行くことも考えていたのですが、やはり色々な意見を聞いて、例えば一般の大学で音楽以外の教養を学んでそれを演奏に活かすこともいいのかなと思うようにもなりました。こちらの方法では勉強する時間と練習する時間のバランスを保つのが難しいです。どちらにしてもドイツ語の勉強はそろそろ始めようと思っています。

    ーー確かにショパンコンクール(2021年)でも話題になったピアノの世界でも一般大学(しかも高学歴)、かつ音楽家としてもハイレベルな演奏家が出場してましたね。ダブルメジャーというと少し違うけど、両方高いレベルを求めることは可能かもしれないね。ついでにもう一つ質問。先日のショパコン見てても思ったけど出場者が割とカジュアルに仲良く話している姿がギター界と似てるなあってリンクしたんだよね。例えば日陽君にはライバルとか友達はいるかな?

    福山:最近増えてきました!名古屋だけでなく全国のコンクールに出てみるとやはり年代の近いギタリストに出会えてとても刺激になります。どの地方もそれぞれ猛者がいるような感じがとても面白いですし、出場すると結構皆仲良くしてくれます。名古屋にも同い年の東光くん、関東にはメルカリオーディションで出会った押山一路くん、あと先輩なんですがドイツ留学中の田村一真さんや静岡で活躍している深澤太一さんも先輩ギタリストとして仲良く話をしてくれます。

    文武両道!100mのタイムは何と!

    ーーもちろん学校にも友達はいるだろうけどギターをやっていると様々な年齢の友達ができるのが良いよね。そういえば高校では陸上部に入ったんだよね。動画を見てポカーンとなったんだけどめっちゃ速いよね。陸上は昔から得意だったの?100mのタイムは?

    福山:はい、もともと走るのが好きだったんですけど中学には陸上部がなくて。高校に入ってようやく始めました。球技とか他のスポーツだと多分疲れすぎてギターの練習ができなくなってしまうかもしれないと思ったのも理由の一つです。今は100mのタイムは12.1です。先輩に比べるとまだまだですがこれから400メートルとか色々なことにチャレンジしたいです。陸上は爪を守りながらできるし、ギターとも両立しやすいです。

    今一押しのギター曲を弾くならどこ?好きな食べ物は? etc

    ーー今一番気に入ってる曲は何ですか? その曲をどこで弾いてみたいですか(コンサートホール以外で)?

    福山:ブローウェルのラ・グランサラバンダですね。筆で墨を飛び散らせたような激しさがあって好きです。コンサートホール以外だと地下駐車場とか!ちょっとアングラなところで弾いてみたいです。

    ーー無茶振り企画ならお任せください。探してみるね、地下駐車場

    ーーギター以外で好きなアーティストは?

    福山:結構低音が鳴ってる感じが好きなのでジャズベースのロン・カーターが好きです。

    ーー嫌いな食べ物は?

    福山:きのこ類全般です!

    ーー何故?

    福山:香りと食感です。ぐにゃっとした感じが苦手です。

    ーー自分も昔椎茸苦手だったからよくわかる!

    2021年はどんな1年?

    ーーではこの1年で一番楽しかったことは何でしたか? ギター関連のこと、それ以外のことで1つづつ教えてください。

    福山:ギター関連だと大萩先生のレッスンを受けに福岡に行った時にフォレストヒルに泊まって皆でお好み焼きを食べたことです。皆さん優しくてとても楽しかったです。あと中学を卒業した後に友達とお好み焼きを食べたことです。

    ーーどっちもお好み焼きやん(笑)でもいいですね、皆で囲めるしね。では逆に大変だったことは?

    福山:コロナ禍で演奏機会がなさすぎて、しばらく空いた後に久しぶりに発表会で演奏した時にこれまで経験したことがない指が痺れるような不思議な感覚に襲われました。それが少し続いたのは大変でした。今はその感覚が無くなったのですがその時は焦りましたね。普段の生活では高校受験はもちろん大変でした(笑)。特に数学が不安で…。でも本番は奇跡的にかなりうまくいったので無事入学できました。

    ーー演奏と受験と両立は大変だよね。でも進学はハイレベルな進学校だし素晴らしいじゃないですか。これからの目標は?

    福山まだ出場していないコンクールや、大きな国際コンクールにも将来出たいなと思っています。あともちろんコンクールだけでなく演奏会には一つ一つしっかりと向き合って、お客さんに自分の意志がきちんと伝わるような演奏家になりたいです。

    これからに期待!

    まだまだ16歳、されど16歳。これからの可能性を存分に感じさせる充実したインタビューになりました。福山さん、これからも期待してます!

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