• 招聘アーティストはどうやって決まる?企画者目線から見たガブリエル・ビアンコの凄さ。 | 名古屋ギターフェスティバル

    招聘アーティストはどうやって決まる?企画者目線から見たガブリエル・ビアンコの凄さ。



    お知らせ 

    皆さんこんにちは!生田Pです。写真はNGFの2017のものです。
    突然ですが、ギターフェスティバルに限らず海外からアーティストを招聘するときは莫大な労力が必要ということをご存知でしょうか?

    具体的にはどんなことをするの?

    まずコンサートの会場の内見と予約、チラシやプログラム作成、当日のスタッフ確保、タイムスケジュール作成。海外アーティストの場合は飛行機の予約、ホテルの予約、ツアー日程の作成。実はそれ以外にも日本での興行ビザ取得のために様々な書類を揃える、契約書作成、会場の見取り図を用意し、許可が降りたら書類を国際貨物で送付。しかし3日で届くはずの国際貨物がなぜか2週間かかったり。まあとりあえずなんとかなっているのですが冗談抜きでとっっっっっても大変です。私1人じゃ絶対に不可能です。そして今回もようやく一安心、というフェーズまで来たので安堵中です。そんな気分を少しでも共有したくこの記事を勢いで書いています(誰得だ笑)。ややラフな記事ですが最後まで読んでいただけるととても嬉しいです。シェアしてくれたらもっと嬉しいです!

    でもなんでそんなめんどくせゃーことするん?(エセ名古屋弁)

    それはね、ばっちゃん(誰のよ)。「その苦労をしてでも届けたいアーティストがいるから」ですよ。企画から何ヶ月もかけて準備するのには意味があるのよ。そのくらいのアーティストってやはりいるのです。今回のガブリエル・ビアンコもそうですよ。さあここで彼のどこが凄いかを説明しよう!

    まず先に聴きたいという方はYouTubeで「Gabriel Bianco」で沢山出てきます。しかし今回は記事ですので言葉で表現。あまりこういう書き方は良くないかもしれませんが…誰にでも分かりやすく5段階で評価

    生田P的5段階評価。アー写と共に。

    テクニック ★★★★★

    音質    ★★★★★

    音量    ★★★★★

    知識    ★★★★★

    表現    ★★★★★

    初見力   ★★★★★

    アンサンブル★★★★★

    レパートリー★★★★★

    暗譜力   ★★★★★

    ですかね。本当になんでもできるんですよ、ガブリエルさん。もはや全てが基準を超えてくるので結論から言うと「全部凄い」にしかならない。オール5超優秀。そしてこの色気!もはや敵なし。

    プロデューサー目線で見るガブリエルの凄さ。

    と言うことで何が凄いかと言うのは表現しづらいので今回はプロデューサー目線で見るガブリエル・ビアンコの凄さをご紹介。やはり誰かを招待して公演を依頼する際に大切なのが「安心してお願いできるかどうか」。これは完全に裏側の目線なのですが、実際に招聘アーティストとしてお願いする際はこちらもとても大事なんです。そちらも評価するとこんな感じ。

    人柄:★★★★★★★★★★

    仕事慣れ:★★★★★★★★★★

    語学力(コミュ力):★★★★★★★★★★

    柔軟性:★★★★★★★★★★

    もう5段階超越してるやん…。

    人柄とは?

    やはり仕事を一緒にするときに仕事がしやすい方はとても良いです。「仕事がしやすいってどう言うこと?」と思う方もいるかもしれませんがこれは一般的な仕事と全く同じです。目的を持って会話をし、お互いを尊重して、条件を提示し、適宜修正しつつ実現に向けて動く。相手のことを感じ取りながらコミュニケーションができる人柄はとても大切です。本当にNGFや関連イベントに出演してくれるギタリストは皆それが当たり前のようにできます。ガブリエルはまずギターが規格外に上手い、同業から見てもとても上手。普通だったら鼻にかけても良いくらい上手いのですが、驚くほどフランクな人柄です。そしてメール返信が早い。もう一回言います。メール返信が早い

    仕事慣れ?

    コンサートではスケジュールが分刻み。例えば開演が18:00だとして、スケジュールを逆に書くとこんな感じです。

    18:00開演→17:30開場→17:00舞台チェック→15:00リハ開始

    と言うことで大体2時間のリハーサルがあるとします。ソロの時はフルに使っても大丈夫ですが、ここに出演者がたくさんいた場合、一人当たりの時間はとても短くなります。そしてリハ時間には照明や、椅子の位置音響の調整MCなどの確認など演者以外のスタッフも流れを確認していきます。そんな時に「ソロのリハは5分でいいよ。その分他のアンサンブルとかに回してあげてくれ。」と聞かなくても言ってくれるのがガブリエル。それは決して手を抜いているわけではなく、これまでの経験値がそうさせています。初めての会場に直面しても大小様々なホールでの過去の自分の経験、そして気候湿度から瞬時にその場の音響をシミュレーションし、数時間後に始まる自分の演奏をイメージできるのです。これは経験豊富な演奏家は皆できる能力でもありますね。もちろんソロでたっぷり時間を使えるときは会場と対話するように自分を高める、というタイプの方も多いです。

    語学力?

    ガブリエルはフランス生まれ、と言うことで母国語はフランス語ですが20歳の頃から世界をツアーしているので語学力はとても高いです。ここでいう語学力とはコミュニヶーション能力とも言えるでしょう。これは演奏にも反映されているかもしれませんが、表情も豊かで、しっかりと自分の言いたいことを伝えられる能力を持っています。よって、とてもモテると思います(と勝手に推測)。

    柔軟性?

    これもコンサートツアーの裏側ですが意外と自由時間が多い。コンサートの無い日は朝起きて、そのまま昼も夜も暇。そんな時に1人で結構歩き回れる人はとても助かります。勿論「どこか行こう」といえばそれを全力で楽しむこともできます。ガブリエルの場合は何事にも挑戦するので、納豆を食べたり、たまたまバーで会った人と友達になってライブハウスに行ったり、日本でも毎日ジョギングしたり、カラオケに言って一緒に歌ってみたり、非常にアクティブかつ気ままです。勿論毎日の基礎練習は欠かさないし、コンサート前はしっかり休んで万全を期す。自分の体調をしっかりコントロールしているのが彼の凄いところ。「俺はコンサートが好きなんだ。」とよく口にする彼の、コンサートに対する確固たる自信は、どんな環境下でも自分のやりたいことを見失わずに適度に自分をリラックスさせるセルフコントロールの賜物でしょう。

    演奏力+仕事力で選ぶNGFの人選

    いかがでしょう?素晴らしい演奏家には演奏だけじゃなく沢山の要素が必要だと思うのは私だけでしょうか。いろんなタイプの人がいます。合う合わないは個人差もきっとあります。でもNGFではやはり人柄もとても大事なのであります。今回出演してくれるギタリストたちも全員がまず凄腕です。そして優しくて、それぞれユーモアがあって面白いです。だから絶対に面白いコンサートになります!

    何ヶ月も準備した企画。それをただ聴いてほしい。それだけ。

    今回のガブリエルだけでなく、流星群のように来日する他のアーティスト達もまた他の誰かが全力で推したいアーティストだと思います。近年では国内のアーティストは皆セルフマネジメントができます。しかし、海外のアーティストが日本で公演をしたくても実現には必ず事務所や、そこに向かって全力で努力している人の力を借りなければ(ビザ取得などの関係上で)とても困難です。自分が心底素晴らしいと思ったアーティストを日本に呼びたい。ただそれだけの思いが重なって実現する僅か数時間のコンサート。それはこれまでの数ヶ月、時には数年の幾つもの努力の賜物なのです。

    だから。

    ですから!ですからあああ!

    NGFに是非来てください!!そして目一杯楽しんでください!

    チケットはこちらから!

    https://nagoyaguitarfes.stores.jp
    東京の本公演とランチタイムコンサート、2/12のファンミーティング(こちらのイベント、ひょっとするとゲスト勢が全員集まれるかもしれません)、そして名古屋の本公演。

    盛りだくさんのNGF2023。企画者も目一杯楽しみます!

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