• 名古屋公演プログラムのご紹介 | 名古屋ギターフェスティバル

    名古屋公演プログラムのご紹介


    NGF in Tokyo 

    NGF in プログラム解説です。

    生田直基による解説メッセージ

    カタロニア奇想曲(イサーク・アルベニス)

    イサーク・アルベニスはスペインの作曲家。このカタロニア奇想曲はピアノ曲「スペイン」Op.165の第5曲目である。叙情的で大変に美しいメロディーを持つアルベニスの作品はギターとの相性が非常に良く、ギターによく編曲される。この曲も多くのギタリストにより編曲されている。今回はミカエル・ロリマー編を使用。

    福山日陽による解説メッセージ

    3つのスペイン風小品 ファンダンゴ、パッサカリア、サパテアード(J.ロドリーゴ)

    J.ロドリーゴ(1901〜1999)は、スペインの盲目の作曲家でギターの名作を残しているが、実は本人はギターは弾けなかった。この曲は、それぞれスペインの伝統的な形式で書かれている。Fandangoは、男女ペアで踊る舞曲で、ギター・手拍子・カスタネットで伴奏される。Passacaliaは、バスがオスティナートになっている3拍子の変奏曲。zapateadoは、アンダルシア地方発祥の6/8拍子の舞曲で、足踏みをして拍子をとる。

    デュオグラッチオによる解説メッセージ

    イギリス組曲 第3番 BWV808よりプレリュード、アルマンド、クーラント (J.S.バッハ)

    プレリュードは、リトルネロ形式で書かれており、オープニングセクションの明確な構造を決めている。アルマンドでは模倣される主題が現れるのが特徴的で、暗闇から静かに湧きあがるようで、しかし後半この主題が反行すると、今度は一筋の光が降りてくるようだ。続くクーラントでは1st、2ndのリズムがかなり複雑に入り混じるが曲の終わりではこの2つが足並みを揃え見事に締めくくられる。この作品がなぜイギリス組曲と呼ばれるのかはまだはっきりしないそうだが、バッハの最初の伝記作家フォルケルによると、それらは名前の知れぬ英国の貴族に捧げられたという。

    デュオ・エクイノックスによる解説メッセージ

    「吹雪」~プーシキンの物語への音楽の挿絵~(ゲオルギー・スヴィリードフ)

    19世紀ロシア最大の詩人でロシア国民文学の創始者である、プーシキンの小説「吹雪」の映画作品のために作られた全8曲から成るオーケストラ用の組曲。本日演奏する「ワルツ」はその第2曲目。荒れ狂う猛吹雪の中、恋人の待つ教会へと馬車を走らせる主人公の次第につのる焦りと、吹雪の描写を3拍子で表現するというのが、ロシアの民族的旋律に基づく作品を得意とした、なんともスヴィリードフらしい一曲。

    春の海(宮城道雄)

    宮城道雄は生後まもなく眼病を患い7歳のときに失明、8歳から音楽を志します。その後、13歳にして指導者となるなど幼くして箏と尺八の名手となりました。西洋音楽の作曲家や演奏家などとも交流を持ち、1929年に尺八と箏のための「春の海」を作曲。フランス人のヴァイオリニスト、R.シュメーによって尺八がヴァイオリンに編曲され、宮城道雄本人の琴との演奏が世界中で大ヒットとなりました。「春の海」は失明する前に祖父母と住んでいた瀬戸内海の景勝地の美しい風景をイメージして作曲された、とも言われています。

    NGFトリオによる解説メッセージ

    アメイジンググレイス変奏曲(冨山詩曜)

    冨山詩曜は日本のギタリスト、作曲家。原曲のシンプルな旋律をもとにした主題から入り、テンポや形を変えながら広がりのある変奏が続いていく。途中にはギターならではのラスゲアード奏法やハーモニクス奏法も入り、盛り上がりをみせて終わっていく。

    ガブリエル・ビアンコ 解説:生田直基(プロデューサー)

    魔笛の主題による変奏曲(F・ソル)

    スペインでは「ギターのベートーヴェン」と呼ばれることもある、フェルナンド・ソル。古典ギターを知り尽くしたソルはギターの演奏も達者であった。演奏には高い技術が要求される。モーツァルトの最後のオペラ『魔笛』を主題とした、ソルの作品の中でも最も演奏会で取り上げられる機会の多い楽曲の一つ。序奏、主題、5つの変奏、コーダと続く。このギターの様々な技巧を発揮しながら華やかに奏でられていく。

    ソナタ (アントニオ・ホセ)

    ホセは20世紀初頭に活躍したスペインの作曲家。才能に溢れ、音楽家として将来を嘱望されていたが、スペイン内戦により捕えられ、1936年に33歳という若さで悲劇的な形でこの世を去った。このソナタはその3年前の1933年に作曲された。鮮やかさ、切なさ、儚さ、激しさ、という様々な感情をたまらず書き殴ったような音が印象深く、まるで絵画を見ているかのような色彩感溢れる名曲。アレグロ・モデラート、メヌエット、悲しきパバーナ、フィナーレの4曲から構成される。

    ~休憩~

    BWV997 リュート組曲第2番(J.S.バッハ)

    音楽の父、バッハによって作曲されたリュートのための組曲。この組曲はプレリュード、フーガ、サラバンド、ジーグ(~ドゥーブル)で構成される。自由な発想で書かれており、特にプレリュードとフーガは完成度が高く、独立して演奏されることも多い。そしてサラバンドとジーグはより舞曲として要素が強く、2曲の緩急のコントラストが非常に面白い。

    ギターのためのソナタ (ジュールス・マトン)

    ジュールス・マトンはフランスの作曲家。10分ほどのこのソナタはガブリエルビアンコのために書かれた。今回のNGF公演で日本初演となるが日本の聴衆にはどう響くのか、非常に楽しみである。

     
    (プログラムは変更の可能性もあります。)

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