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    イリアナ・マトスの魅力。コンサートで喝!!??


    お知らせ 
    Iliana Matos in NGF 2019

    2019年の情報です。 本年度の開催情報はホームページトップからご確認ください

    こんにちは!生田Pです。

    今回のNGFのメインゲストの一人、イリアナ・マトス

    輝かしいプロフィールなどはこのウェブサイトのhttps://guitar-fes.nagoya/iliana-matos/からもご覧いただけますが今回は私とイリアナとの出会いについて。

     

    数年前、アジア進出を狙っていた(?)生田Pは力強い営業の末、香港のギターフェスティバルに招待されまして。。。

     

    いや、本当は英語が喋れる日本人枠で呼ばれただけ、多分。

    そのフェスティバルとは香港の芸術学校でのギター講習会だったのですがイリアナと私は二人とも講師として参加していました。学生たちは小学生から高校生まで幅広い年齢の生徒がいました。

     

    当然学校の宿舎のような場所に泊まっていたので22時には消灯で、アルコールもありませんでした。当然wifiも無い!

     

    「香港♪香港♪」

    とウキウキしながら到着した直後、その驚愕の事実を知った時のショックは今でも忘れません。

     

    前日入りしたため宿がなく仕方なく一泊した重慶大厦と同等レベルのショックでした。

    (重慶大厦は検索すると沢山情報出て来ます。香港の人は絶対泊まらないホテルです。)

     

    絶望!と思っていると奇跡が!

     

    しかしなんとフェスティバル初日の夜、ゲストの一人がペットボトルに詰めた琥珀色のお水を鞄から取り出すのです!

     

    一同「!!!!!」

     

    いきなり安心したゲスト一同は月明かりに照らされながら嗜み、日付が変わるまで音楽談義。

     

    イリアナからはキューバの名作曲家、レオブローウェルとの逸話を沢山聞きました。色々話してみて、深い音楽性を持っていることはすぐに分かったのですがそれ以上に感じたのは「優しさと厳しさ」を持ち合わせている演奏家だということ。そしてどこからか余裕を感じる。そのオーラで「こやつ、只者じゃないな」と。

     

    そのオーラを翌日のコンサートで見せつけられることに。決して流行に乗るわけではないけれど南米のギタリストらしく強靭なテクニックを持ち何よりキレの良い演奏!

     

    まさしくキレッキレ。ある種の理想の音の一つかなと思いました。現代のまろやかさとは対比をなす、強烈なパンチ力を持っていました。

     

    まさかの熱血指導?!

    イリアナの会心の演奏中。会場では皆静かにイリアナを聴いています。

     

    しかしそんな中衝撃的な出来事が。

     

    コンサート中に最前列でスマホゲームを始める少年がいたのです。

    そして親も注意しない。

     

    確かに自分も小さい頃はクラシックのコンサートに足を運んだことがなかったからある意味わからなくも無い。このフェスティバルには小学生も沢山居て、やはり毎日レッスンがあって、コンサートが続くとどうしても集中力が持たない子も居ると思います。ただこの時はそれが数人に伝染してしまい、演奏しているイリアナからもゲームをする子供数人が見えてしまっていました。

     

    それから数分は演奏していたのですが、イリアナはやがて演奏する手を静かに止めました。

     

    そして彼らに語りかけました。

     

    「I want to tell you one thing.

    (一つ伝えたいことがあります。)」

     

    あなたたちがそういう姿勢でしか音楽を聴けないのだったら私はこれ以上演奏しません。

    これがどういうことか分かりますか?

    私はあなたたちに私の好きな音楽を聴かせたいと思ってこの音楽を用意してきた。

    これが例えば私じゃなくても、そうやって誰かがあなたのためにやっていることを目の前で無視するのが正しいですか?

    ここはギターフェスティバル、ギターを楽しむ場所でしょう。

    ゲームを楽しむ場所ではありません。

    次に弾く曲は10分です。

    あなたの10分を私にくれませんか?

    その代わりしっかり聴いてください。

    それが今できないのなら私はあなたたちの姿勢、

    そして将来の可能性までも残念に思います。

     

     

     

    通訳の人が翻訳して伝えるとその子たち数人は号泣。。

     

    (主催者も涙目。)

     

    しばらくどうなることかと思いましたが、その後その子たちは落ち着き、約束通りイリアナの演奏を「約束はしたのだから今度こそじっくりと聞く!」という顔で聴いていました。静かにするのは当たり前の事。でもやはりそれを言われたら悔しい気持ちもあったと思います。グッと涙をこらえて聴いていました。

    そしてその曲が終わった時イリアナは最上級の笑顔で「ギターは楽しいでしょ?」とステージから問いかけると子供達は会心の笑顔で「うん!」と答えていました。

     

    漫画みたいな本当の話。

     

    会場は何とも言えない熱狂と暖かい拍手に包まれました。

    生田Pはホロリとしながらも、その晩も琥珀色の液体をゆっくりと傾けるのであった。

     

    演奏はもちろん素晴らしかったですが、こんなに印象深いコンサートはなかなかありませんね。

     

    イリアナ・マトス、NGFでも熱狂させてくれるでしょう!!!

     

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